2017年7月14日(金)、日本橋くるみ行政書士事務所が主催する「民泊3法の総合解説 新法/特区/旅館業法セミナー」がBTS-OFFICE6階会議室で開催されました。
近年の訪日外国人の急増を背景に、社会的に大きな関心を集めている「民泊」。
Airbnb社などの民泊施設仲介プラットフォームの登場により、個人が空き家やマンションの空き室を手軽に宿泊施設として掲載し、世界中から旅行者を募集することが可能な時代となりました。観光立国推進政策を進める政府主導のもと、住宅宿泊事業法(民泊新法)の制定や旅館業法の規制緩和により、合法的な民泊ビジネスの拡大が期待されています。
本企画は、法令を遵守した先進的な簡易宿所の開発に取り組む株式会社Brain Trust from The Sun(以下、BTS) と、一般社団法人不動産ビジネス専門家協会(以下、不動産ビジネス専門家協会)のコラボレーションにより実現しました。
BTSは、若手起業家の創業・育成支援(インキュベーション)事業とともに、空き家等を活用した地方創生事業に積極的に取り組んでいます。その空き家活用事例の1つとして、BTSは日本を代表するサーファーである富永忠男氏が代表を務めるT-REEF Surfboardと協働し、“鎌倉のレジェンドサーファーが手がける非日常な空間と時間”をコンセプトとする簡易宿所「Blue Lagoon」をプロデュースしました。同施設はヨット競技のオリンピック選手に長期利用される等、鎌倉で高い注目を集めています。
また、一般社団法人不動産ビジネス専門家協会は、不動産事業者と各種士業を会員に擁するプロフェッショナル集団であり、不動産ビジネスの活性化及び健全な発展に貢献することを目的として、各種勉強会・セミナーの企画、交流会開催等を行っています。
不動産活用による地方創生に取り組むBTSは、不動産ビジネス専門家協会の趣旨に賛同し、自らが運営する東京・京橋のBTS-OFFICEを同協会の専門家に提供することを提案。両者のコラボレーションの第1号として、民泊・旅館業の法律分野の第一人者であり、同協会の理事を務める行政書士・石井くるみ氏による本セミナーが開催されました。石井くるみ氏は、全国各地で民泊施設の許可申請業務を手掛けており、鎌倉でも複数の簡易宿所(合法的な民泊施設)の開設に携わっています。
民泊施設を簡易宿所として合法化するためには、旅館業法を始め、建築基準法、消防法等の様々な法律の体系的理解が不可欠です。近年の民泊を巡る規制緩和で、国家戦略特別区域法に基づく特区民泊制度や、住宅宿泊事業法に基づく新しい民泊制度といった新しい営業形態も創設され、民泊に関する法制度の理解はますます重要となっています。
本セミナーには、民泊市場への新規参入を考える不動産業界のみならず、新しい宿泊形態である「民泊」を研究するホテル業界からの参加者が集まり、互いの意見交換やディスカッションを交えた有意義な勉強会となりました。参加者からは「自社が運営するホテルにおいても、近年外国人の宿泊客が増加している。国籍や顧客の地域属性も統計データと一致しており、実感と合っている」「賃貸マンションの管理業務を行っているが、その空室対策として民泊制度を活用していきたい」「民泊にはさまざまな制度があり、その整理と理解に本セミナーが役立った」などの声がありました。
今後は鎌倉でBTSが運営する「Blue Lagoon」のような、地域の特色を活かした合法的な民泊施設が日本全国に普及することで、豊かな観光資源を持つ地方の観光産業が活性化することが期待されます。